200kmドライブ(詳細)


(ネタバレしないつもり、でも多少あるかも。たまに話の順序が違うかも)

初めての端役

 ドラマの撮影に、端役(HP一般応募)参加した。が遅刻(事前に連絡済)の上、早退で申し訳ないことに、役割は全部ははたせなかった。しかし、端役を含めた初めての撮影が、集合時間の四時間以上も後だったから、複雑な心境だった。雨が降りそうな(行き道は実際雨が降っていた)どんよりとした曇りだった。場所は野球場の観客席で、寒空の下、凍えながら待機していた。座席はスタッフの方が拭いてくださっていた。端役参加するのは初めてだが、いつもこんなに寒い中、半袖になって(夏の設定)撮影し、長時間待機しているのだろうか。いくら俳優に会えるかもといっても、これでは風邪をひきにきているようなものである。
 私が到着したときには、すでに端役達は一塁側ベンチの上辺りにつめて座っており、近くにいた関係者にきいて、上のほうの空いているところにちょこんと座った。一塁側ベンチ(千川高校)内の撮影では、春華役さとみちゃんの声がきこえた。となりの人にきいたら、ずっと待機で、まだ端役の出番はないとのことだった。
 後でわかったことだが、おそらく、第八話(もう次回分じゃん!)、第九話の撮影。監督の声が違うときがあった(二人いた)。

千川ナイン登場

 しばらくすると、ベンチから、出てきた出てきた!千川高校ナインがぞろぞろと。コートを羽織っているし、誰が誰だか初めはわからなかったが、帽子をみただけで笑顔になってしまった。いた、いた〜♪それぞれがキャッチボールをしているうちに、ピッチャー比呂がよばれてピッチャーマウンドに上がった。リハーサルをして、コートを脱ぎ、鏡をみてメイクを直し(スプレーで汗(?))、本番。投げた(実際はボールなし)!キレイ!フォームがきれい!かっこいい!振りかぶって右足が高くあがり、大きく前に踏み出し、右腕がおりてくる。「っしゃー!」の声。何テイクか撮り、その度に微妙に違う声が広い球場にこだましていた。じ〜んとした。私の位置からは頭の上まで足があがっているのがみえ、感激した。そのころ、簡易双眼鏡をもってきていたのを思い出し、双眼鏡でみたりした。私の場所がスタンドの上から三分の一くらいの場所だったこともあり、双眼鏡を使わないと、かなり小さくみえるが、それでもいい気がした。以後、双眼鏡でみたり、肉眼で見たりを繰り返した。照明さんが、比呂の前、180度をタイミングよくぐるりと回って光をあてていた。かなりの至近距離だったが、比呂はいつもの比呂だった。いつもそうやって撮影しているのね〜。
 そういえば、全体を通して(私がいたときは)、撮影がワンテイクで終わったシーンは一度もなかったように思う。何度も何度も撮っていた。

ノック

 次はキャッチャー野田役中尾くんのシーン。比呂のボールを受ける、ということで、ミットの位置から、身体の動き、ボールをキャッチするタイミング、キャッチしたときのグローブの閉じ具合、引き具合、表情など、いろいろと指示されていた。一瞬の場面で、いろんなことが考えられて創られているんだなぁと思った。撮影のないメンバーは、石垣くんのノックを楽しそうにうけていたが、途中、比呂がよばれて、撮影はないものの、イメージのためか、マウンドに立った。
 そういえば、いつだったか、比呂が弓削くんにボールを渡さないふりして、ぽんとちょっと投げて渡したが、そのときボールを二球いっぺんに投げた。おちゃめで笑ってしまった。
 センター木根役石垣くんが、とてもノックが上手。トスされたボールを全くはずしていなかったと思うし、当たりもよく、一定だった。しばらくずーっと石垣くんがノックして、他の人(少なくとも、比呂、佐川役北条くん、森役柳くん、島役中村くん、大竹役弓削くんはいた)はノックをうけていた。捕球はみんな上手だった。誰かが捕り損ねると、ヤジをとばしたり、じゃれたり、なぐるまねしたり、けりをいれそうになったり、仲が良さそうだった。中尾くんはノックに一度も参加していなかった。
 途中で比呂が石垣くんと交代し、ノックをした。当たりはまちまちで(笑)、石垣くんのように上手だったり、フライになったり、ゴロになったり。とても楽しそうだった。石垣くんは交代するとき「オレ、ぜんぜん捕れないんだよなぁ。捕るのダメなんだよなぁ」ということを言っていた。確かに若干そうだったかも。
 特筆すべきは、トスをしていた人物。ずっと、ずーーーっとノックする人にボールを出していた(トスしていたって言い方でいいのかな)。一時間以上。えらい、と思った。誰か変わってあげればいいのに、とも思っていた。今日の撮影では、控え選手役だったのだと思う。私が早退して帰るとき、たまたま一人で歩いているところをすれ違って「あ、トスしてた人だ」と思って、思わず「お疲れ様です」と言ったら「お疲れ様です」と言ってくれた!!!家に帰ってから、チェック。(おそらく)荒川結くん。髪型がはじめのころの放送とだいぶ違っていたから(短かった)、松坂役ではないかも。松坂役かも。
 途中、誰かがトスの荒川くんに返球したとき、ちょっとそれてフェンス近くになり、荒川くんがジャンプして、グローブをフェンスにあてながらも見事にキャッチしたとき、ノックをうけていた石垣くんが「やべえ、おいしいとこもってかれたっ」と大声で言っていて、笑ってしまった。
 審判の撮影もしていた。ホームベースにいる審判の「ストライク、バッター、アウト!」の声がきこえていて(視線はノックへ・・・ごめんなさい)、よく通る、ハキハキしたいい声だなぁなんて思っていたら「バッター、と、アウト、をもっとつなげて」と指示され、やってみるものの、やはり途切れており、さらに撮ると「ストライク、バッターーゥト!」のようになってしまっていた。寒さが影響したかどうかはわからないが、薄着でずっとグラウンドにいた審判さんたちの大変さを垣間見た気がした。その後、OKが出ていた。
 比呂の投球した球をキャッチャーから返球され、それをキャッチする場面の比呂の撮影で(撮影場所はキャッチャー近く?)、返球するコーチの球が低く、何度か指示されていた。私が「今度はいいだろう!」と思ったときでも、グローブで顔がかくれてしまった、などで再撮影していたりした。きちんと説明(助監督か)してくれるので、私にもわかりやすかった。そういえば、アウトを何人か分撮影していたが、比呂はアウトをとった後、自然に額の汗を右腕でぬぐっていた。すごい。「そうだった、真夏の設定だった」と思い出したのだった。

千川高校勝利その1

 しばらくして「おまたせいたしました〜」の声がかかり、千川ナインが各々の守備位置についた。千川高校が勝って、比呂のまわりで、みんなで喜ぶシーンの撮影。それぞれ、ドラマの設定の性格で喜んでいた。当たり前なんだけど、それが目の前で繰り広げられていると思うとすごくうれしかった。木根くんはあの調子でみんなのまわりを二周もしていて、笑えた。みんな、素かと思うほどかなり喜んでいて、カットがかかってもしばらく喜んでいた。撮影では「中心がずれた」とか「奥に行き過ぎ」とか、野田と比呂が抱き合って喜んでいるところで中尾くんが「もしかして抱き上げられてたかな」ときかれ、私には中尾くんが「あいしあってました」とこたえたようにきこえたのだが(どなたかご存知の方いらっしゃいましたら是非お知らせ願います)、私の聞き違いかも、「どちらかというと抱き上げて」と指示されていた。とはいうものの、次も、比呂が抱き上げる感じになっていた。比呂はその場から動けないし(本来なら、キャッチャーに歩み寄って、何歩か前に出るでしょう)、中尾くんは走ってくるわけだから、どうしたってそうならざるを得ない。難しかったでしょうね。喜びのあまり、帽子をとばすが、比呂が帽子の後方部(多分、サイズ調整のぽちぽちがある部分。あれ?野球帽子にはそんな調整部分ないか?)がひっかかるのか、何度も被っては脱いで、被りなおしていた。スタッフがあと二つ(おそらく)予備の帽子を持ってきたが、それでもしっくりこないらしく、スタッフが、キャッチボールをしている控え選手役の四人に「帽子Lの人、いる?貸して。」と言って、貸りていた。Lですってよ、L。借りた帽子の調整をグッとしめ、被ったら大丈夫そうだった。(帽子の話は‘勝利その2’のときだったかも)。比呂は、撮影の度に万歳をしたり、手をつきあげたり、いろんな喜び方をしていた。その後、OKが出ていた。

スタンドへ挨拶

 その後、千川ナインがスタンドに向かって勝利の挨拶するシーンの、千川ナインの撮影があった。スタッフが準備している最中、一列に並んでいたが、大抵の人が帽子を脱いで手に持つ中、佐川役北条くんだけが帽子を脱がず、石垣くんに「みんな(スタンドの人達のこと)、きっと(帽子を脱いだところを)みたいよ」と言って、嫌がる北条くんの帽子を無理やり脱がせていた。みんな帽子の跡がついていて、笑えた。撮影は観客に向かって礼をして、やったーと笑って喜ぶ場面なので、撮影とはいいつつ、笑顔を堪能してしまった。ナインの顔を正面からみれて、うれしかった〜。それからスコアボードの撮影などがあった。

お昼休憩

 その後お昼休みになり、三十分弱あった。出演者はどうやらベンチ裏から直接室内へ入ったようで、会えなかった。休憩終了の十三時になっても出演者は誰も出てこず、遊ぶ様子などは全くみれなかった。これまでのロケの中でも、かなり寒かったということか。スタッフが黙々とグラウンドの整備をして、きれいになった。

千川高校勝利その2

 千川ナインが守備位置についたが、いきなり相手ナインも加わって、グランドに足跡を付けはじめた。あ〜、折角、キレイにしたグラウンドが・・・。どうやら試合後の撮影らしく。後方にいた人から、比呂がロージンバックをもらったとき、マウンドより後ろに落ちたが、比呂はそれを拾って、白い粉が落ちたその場所の白いのを足で消し、ロージンバックの置き場所に何度かロージンバックをたたきつけて、白い跡をつけてから、置いていた。さすがプロだな〜。
 今度は監督が変わって、午前中とは別の勝利の千川ナインの撮影。ラストバッターをピッチャーゴロに打ち取り、比呂がファースト弓削くんに投げる場面などがあった。そういう場面では、キャッチャー役はコーチがやっていて、キャッチした後、ゴロを投げる、といった感じで、ほほうっと勉強になった。勝利を喜ぶシーンで、ワンテイク後、鬼頭監督自らレフトの選手(井上役か杉山役)とファースト大竹役弓削くんに直接指示にいって、その後撮影すると、その二人が抱き合って喜んでいた(笑)

ひかり、ひかりパパ登場

 次は私達の出番。「おまたせいたしました〜」の声とともにスタンドにカメラが移動し、勝利でナインが挨拶にきたところの端役の撮影がはじまった。真夏40度の設定なので暑そうにしてください、と。勝利を喜んで拍手などしているが、ナインが一列に並んだら一度その動作を控えめにして、挨拶したらまた喜ぶ、などと指示された。本番で、実際にナインが挨拶したときに喜んだが、演技ではなく素で喜んでしまった。声援も送ってよかったので、おめでとう、と言った。私が半袖になったのは、結局このときだけ。そういえば、喜びの場面だけれども、音も声も出さないで、拍手するふり、を指示されたときもあった。あれは案外難しい。
 撮影が途切れたとき、なんとなくきょろきょろしていると、上方からひかりパパ(雨宮太一)役杉本哲太さんと、ひかり役市川由衣ちゃんがにこやかに笑って話しながら、こちらに向かって歩いてくるではないか!うわーい。由衣ちゃんは番宣でみるのと同じくかわいくて、細かった。哲太さんは、すごく背が高くて、笑顔が素敵だった。などと思っていると、なんとなんと私の横を通り過ぎて、前方の端役達の間に入るではないか!千川高校の試合中の二人を含む観客の撮影が行われた。二人は会話もあって、何テイクか撮っていた。哲太さんのセリフはきこえたが(原作にあるものだった)、ひかりのはつぶやく感じだったこともあり、ききとれなかった。
 それから、今度は千川ナインがスタンドに挨拶にくるシーンで、哲太さんと由衣ちゃん二人を含んだ観客の撮影をした。ここでは挨拶後、比呂がひかりの方をみる場面があり、何テイクか撮っていた。ナインは挨拶後、ほぼ正面をみてスタンドに手を振ったりするが、その後、比呂は斜め左側のひかりの方を向くので、このことについて身振り手振りで比呂が何か話していたりした。挨拶後、他のナインと同じタイミングでベンチに入っていいよというようなことを監督(助監督?)に言われていたが、兼ね合いが難しかったかな?それでも自分が納得できる演技をする彼に、ますますほれてしまった。たまたま、比呂とひかりの延長線上に・・・私がいて、あの視線を独り占めした気分に錯覚した。もう二度とこんな体験ないだろうなぁ。
 次に、同じシーンのひかりちゃん側の撮影で、いろんな方向から撮影していた。同じ場面でも、どこから撮るかによって、撮影しやすいように「三人分、ずれて」とか「二段、上がって」とかの指示があって、人の配置は変えずに動いていた。
 ここで私は申し訳ないが、早退となってしまい、席を立つタイミングを見計らっていた。
 そうしたら、たまたま、千川ナインの球場での撮影は終了のようで、挨拶の撮影のときのように、みんな出てきて「お疲れ様でした」とそれぞれ言って、スタンドに手を振ってくれた。確か比呂も振っていたと思う。どさくさにまぎれて手を振ってしまった。
 そのころになって、やっと太陽が照ってきた。参加された皆さん、寒い中、本当にお疲れ様でした。
 

ドライブ帰り道

 残念だったのは、端役の仕事で、試合のバック(背景)になるものがなかった(私が帰った後にも、おそらく)。ドラマにはうつらないだろうなぁ。半袖になるのが少なかったのは、きっとラッキーだったのだろう。ただ同じ場所で数時間座っているのも大変なものだった。でも、それでも、やっぱり行って良かった。上の方の席だったので、表情まではあまりみえなかったが、双眼鏡ではみれたし、ちょっと遊ぶ様子(シャドーボクシングや、背面キャッチ、など)もわかったし。そのときは、寒い寒いとばかり思っていたが、みんなの楽しいロケ雰囲気を味わい、真剣な撮影を固唾を呑んで見守り、スタッフの仕事ぶりを拝見し、思い返せば、素晴らしい思い出ばかりだった。車をとばして行った甲斐があった。一大イベントであった。

おわり

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