朝、一番遅くに起きると、第一声は「にぃにぃ、元気なの?」だった。家族の身体を心配できるようになったなんて。じ〜んとしてしまった。
 スポーツクラブでは、はじめて外でやって、楽しそうだった。鉄棒にぶら下がったり、かけっこをしたり。園帽の麦藁帽子を脱ぐと、汗まみれの髪の毛が頭にぺったりくっついていて、自分の幼少期にそっくりで笑ってしまった。私は、毎日ぺったりだった。
 最近、めっきり、食事の際のよだれかけを使わなくなった。プラスチック製で、受け部分が前に飛び出ている形なので、じゃまなこともあるかもしれない。洋服を汚さなくなったわけではないが、このまま卒業かな。一抹のさみしさ。